園だより愛光

【7月の聖書の言葉】

「隣人を自分のように愛しなさい。」  新約聖書 マルコによる福音書 12章31節

 

「月  の  心」

上記は聖書の中でも、大変よく知られた言葉の一つです。心地よい響きがあります。隣人を自分のように愛すことができたら、素敵だろうなと思います。でも、これは並大抵のことではありません。わたしたちは自分を愛すことすらできていないように思います。自分を愛すのではなくて、自分のふがいなさや弱さを悲観し、自分の存在を否定してしまう、そのようなところすらあるのです。

確かに、自分中心に生きて、自分を最優先させるのは得意としていますが、それは愛しているのとは違います。わたしたちに可能な愛するというのは、言い換えれば、陳腐ですが「大切にする」ということです。わたしたちは隣人を大切にしているでしょうか? 残念ですが、大切にするのとは正反対、傷つけあっているのが人間の日常です。

日々わたしたちの周りで起こっている出来事、事件はまさに人間が傷つけあっている現実を映し出しており、わたしたちもその当事者です。些細なことに腹を立て、相手を傷つける心ない言葉を吐いてしまう。子どもたちにわたしたち大人が語りかけている言葉は大丈夫でしょうか。胸に手を当てて振り返ってみる必要がありそうです。

聖書の語る愛の背景には、神さまの愛(アガペー)があります。神さまはすべての人間を分け隔てなく、無償で愛してくださっている、というのがキリスト教の教えの中心であり、これが愛光幼稚園の保育の基本にある考え方です。すべての人が神さまに愛された存在なのだから、わたしたちも人を愛する主体として、人を愛しながら誠実に生きていくというのがわたしたちの大切な務めです。

子どもたちに、また周囲の人に精一杯の愛を注ぎながら、共に歩んでいきたいと思います。

(牧師・園長 平山正道)

トップページへ戻る