【7月の聖書の言葉】 新約聖書 テサロニケの信徒への手紙 一 5章16~18節
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」
「月 の 心」
苦しいことばかりです。辛いことばかりです。悲しいことばかりです。暗い言葉で申し訳ありません。でも、今、わたしたちが日常感じていることをそのまま書けば、自然にそうなってしまいます。自分だけではありません。身近にいる人を見ていても、悩み苦しんでいる人がどれほど多いことか…。そして、この世界の現実、毎日見聞きしている報道には目を覆いたくなるものばかりです。悲しくてならない。
考えてみると、わたしたちの人生は悩みや苦しみの連続です。本当は、嬉しいことや楽しいことも同じくらいあるはずなのに、その逆のことばかりが思い浮かんでくるのはなぜでしょうか。
そのようなわたしたちに、上記の聖書の言葉は、大切な示唆を与えてくれます。これを書いたのは、パウロという人です。最初期のキリスト教会の歴史の立役者です。彼は厳しい弾圧を受けながら、最期は殉教した人です。何度も投獄されました。1世紀の中頃、キリスト教が禁止されていたローマ帝国内で伝道したからです。苦難の連続であったはずの彼が、いつも喜び、感謝するようにと、教会の人々に書き送ったのは驚くべきことです。喜んだり、感謝したりできないことばかりなのに、パウロはなぜそのようなことを書くことができたのでしょうか。「喜ぶ」と「感謝」の間にある「絶えず祈りなさい」という言葉にヒントが隠されています。
神さまに祈ることを通して、辛いことや悲しいことであっても、それが必ず喜びに変わり、感謝する時がいつか来ることを、この言葉は教えているのです。これは真理だと思います。わたしたちが生きていく上で、大きな力になる不思議な力がこの言葉にかくされているからです。
たいへん難しい現実を生きているわたしたち一人ひとりにとって、自らを振り返りながら、心静かに味わうべき聖書の言葉だと思います。 (牧師・園長 平山正道)
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