園だより愛光

3月の聖書の言葉】  旧約聖書 旧約聖書 詩編 86:11

「主よ、あなたの道をお教えください。わたしはあなたのまことの中を歩みます。」

 

「園 長 室 か ら」

これは、詩人の祈りの言葉です。このあと「(神さまの)御名を畏れ敬うことができるように、一筋の心をわたしにお与えください。」と続きます。

ひるがえって、今のわたしたちの世界を思い出すとどうでしょうか。一部の権力者が傍若無人に振る舞って戦争が拡大し、泥沼に陥っています。ガザやウクライナに関する報道にはもう辟易とさせられています。何の罪もない、無力な市民が多数犠牲になっています。人を傷つけ、命まで奪ってしまう戦争をなぜ止めることができないのか、絶望的な気分にさせられています。

権力を握った人間が自分の思いのままに暴走するとどうなるのか、わたしたちは見せつけられています。人が絶対者になる恐ろしさを、歴史は何度も経験してきたはずなのに、なぜ同じ過ちを繰り返してしまうのか。

愛する人を失って、嘆き悲しんでいる人々の痛みを顧みず、無差別攻撃を続ける愚かさ…。ガザで行われていることはジェノサイド(大量虐殺)です。国際連合で採択された(1948年)ジェノサイド条約(集団抹殺犯罪の防止及び処罰に関する条約、Genocide Convention)に完全に抵触しているのに、国際社会はこれを止めさせることができません。悩ましくて仕方がありません。

旧約聖書の詩人がうたっている祈りの言葉は、このようなわたしたちに、神さまの前で徹底的に謙虚になるように促します。神さまを畏れる感覚を持つのです。自分の言葉が、行いが、神さまの前で正しいのかどうかと疑い、謙虚に顧みることが求められます。これは、子育てにも、身の回りの人間関係においても、すべてに当てはまるでしょう。慌ただしい日常を過ごしながら、わたしたちはこれを怠っています。しかし、自分の生き方をゆっくりと謙虚に振り返るのはとても大切なことです。そこに、一人ひとりの豊かな人生が築かれる手がかりがあるはずです。そして、その先に平和な世界が開かれていくような気がしています。              (牧師・園長 平山正道)

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