【12月の聖書の言葉】
「『その名はインマヌエルと呼ばれる。』
この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。」
(マタイによる福音書 1章23節)
「月 の 心」
来週から12月です。今年も、あとひと月しかないと思うと少し焦りを覚えます。やり残していることが山ほどあるからですが……。
その最後の月に、当園の一年のクライマックスとでもいえる特別な日、クリスマスが巡ってきます。もちろんイエス・キリストの誕生日です。
およそ二千年も昔に、現在のパレスチナ南部にあった小さな村、ユダヤのベツレヘムでその赤ちゃんは生まれました。この子は大きくなって「神の国」を宣べ伝え、悩み苦しんでいる人間に救いの手を差し伸べられました。のちに彼はキリスト(救い主)と呼ばれるようになります。聖書によると、この方は目に見えなくても、今も生き続けておられるというのです。だから、世界中で今年もキリストの誕生が祝われるのです。悩み苦しんでいる人間が世界中に溢れているからです。
12月の聖書の言葉は、マリアの夫ヨセフに天使が現れて伝えた言葉の中の一節です。あの時、ヨセフは許嫁のマリアが身ごもっていることを知って、自分には身に覚えがないがないため、婚約を破棄しようとしました。そこに天使が現れて「マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」と告げ、さらに「(生まれてくる男の子の)『その名はインマヌエルと呼ばれる。』この名は、『神は我々と共におられる』という意味である。」と教えるのです。要するに、マリアから神さまの子が生まれる、その子は、神さまが人間と一緒にいてくださる、という意味の名前、インマヌエルだ、というのです。
わたしたちの現実を見回すと、どこもかしこも問題だらけ、みんな悩み、苦しんでいるような状態ですが、そのわたしたちを見捨てず、神さまが一緒にいて、守り、導いておられる、その徴としてのイエスさまの誕生日がクリスマスなのです。これを改めて知ると、何だか嬉しくなり、生きる希望が湧いてきます。子どもたちと一緒に、みんなで意義深いクリスマスを迎えていきたいと思います。
(牧師・園長 平山正道)