【11月の聖書の言葉】

「神は愛です。」 (ヨハネの手紙 一 4章16節)

 

「月  の  心」

早いもので明日から11月です。ちょうど2週間前が運動会でしたが、あの日は好天でまだ汗ばむ陽気でした。それがあっという間に、朝晩冷え込むようになり、秋の深まりを感じるこの頃です。季節の移り変わりがあまりに速すぎて、体がついていかないと感じている皆さんも多いのではないかと思います。

とにかく今年も夏があまりに暑くて長かったので、「暑すぎる」と毎日不平不満を言って過ごしました。その同じわたしたちが、今度は「急に寒くなりすぎ!」と文句を言っているのです。確かにそうですが、冷静に振り返ると、人間というのはやはり、どこまで行っても自分本位で我儘だと思わされます。子どもも大人も、年を重ねても、人間の本質はそう変わりません。

その一方で聖書は「神は愛です」と教えています。この場合の愛は、弱い人間が人を愛する時の「愛」とはおよそ違うレベルの絶対的な愛を表します。人間も確かに人を愛しますが、それは非常に不安定で、限定的、壊れやすいものです。愛していたはずなのに、時間と共に飽きてしまい、愛する対象が他に移ってしまうこともあります。こと愛をめぐっては、人間の身勝手で自分本位な姿が露わになることが多いとわたしは思います。

これに対して、神の愛は絶対的なものであり、安定していて、不変であると聖書は教えています。激動する時代の中で、わたしたちは頼るべきものを見失い、ゆく当てもなくさ迷っているような感覚に襲われることがあります。それでも、わたしたちをいつも変わらず愛し、どんなに罪深くても、赦して導いてくださる方がおられるというのは、何にも代えがたい喜びであり、感謝すべきことだと思います。神さまのとてつもなく大きく、広く、深い愛に包まれていることを受け入れ、安心して前に向かって歩みを進めるわたしたちでありたいと思います。

                            (牧師・園長 平山正道)